家族の介護において、せっかく作った食事を口にしてくれないという悩みを持つ人は珍しくありません。
そういう人は食事の形態を変えてみると食べてくれる可能性があるので試してみましょう。高齢になると、噛む力や飲み込む力が衰えてきて、今までの食事では喉を通らなくなっていきます。そのため、介護が必要な家族の状態に合わせた食事、いわゆる介護食を作る必要があるのです。
なお、中には一人では食べられないから口をつけないというケースもあります。介護食と併せて食事介助の仕方も知っておくと良いかもしれません。
介護食には日本介護食協議会が制定した4つの区分があります。それを参考に食事を用意すると良いでしょう。
区分1は容易に噛めるレベルです。硬いものや大きいものはやや食べづらくても、飲み込む力は普通にある人がここに該当します。通常の食事とあまり変える必要がありませんが、少し小さめに切ったり、やや柔らかめにご飯を炊いたりといった配慮は必要です。
区分2は歯茎でつぶせるレベル。硬いものや大きいものが食べづらく、飲み込みもものによっては難しい人がこのレベルです。焼き魚よりもほぐれやすく飲み込みやすい煮魚がおすすめ。他の食材も小さく刻み、普段より柔らかく煮ると良いでしょう。飲み込みやすいようにとろみをつけることも重要です。
区分3は舌でつぶせるレベル。細かく柔ければ食べることができますが、水やお茶が飲み込みづらいことがある人がここになります。魚はとろみあんかけのほぐし煮にし、ご飯も全粥がよいです。野菜は皮をしっかり剥き、繊維を断ち切るように切り、歯を使わずとも食べれるくらいまで煮込む必要があります。
区分4は噛まなくて良いレベルです。固形物は小さくても食べづらく、水やお茶も飲み込みづらい人が該当します。食材はペースト状になるまでミキサーにかけましょう。水分量が多すぎると誤嚥に繋がる恐れがあるため、とろみを付け粘度を高めることがコツです。
このように、介護食を作るには多くの手間がかかります。自分で用意することが難しい場合は、無理せず市販の介護食を買うことも考えましょう。